2015/06/10

教育現場での文化・環境の差。

안녕하세요?^^
今年の4月まで住んでいた場所が「안동(安東/アンドン)」という所だったのですが、
まだ안동には地下鉄通っていません。
また大きな書店や百貨店もないため、ソウルに移ってきた当初、少し戸惑いました。
同じ韓国でも地域によってとても違います。

では違う国なら?
文化の差や環境の違いは手に取るように感じる事ができます。

大学院で韓国語教育を専攻していた時、「模擬授業」という講義を受講しました。
その中で韓国語教育の現場で、学習者の国籍・文化・習慣などの違いを目の当たりにした場合
教師の対応がとても大切になるという話をし、
どのような態度で接するのが望ましいかの討論になりました。


例としてこのようなお話でした。

授業の中で「交通手段」について学ぶ時間でした。
バスや地下鉄、タクシーなど交通手段がありますが、
この時間では地下鉄の乗り方、乗り換え、路線図などを学習する時間でした。

教師が生徒に「皆さんの国にも地下鉄がありますか?」と質問しました。
「ㅇㅇㅇさん、どうですか?」を繰り返しながら生徒に投げかけました。
ところが生徒の1人が「私の国には地下鉄がありません。」と答えたとします。
さて、教師であるあなたなら何と答えますか?
どのような態度を示しますか?


質問された私たちは、こうします・ああしますと答えながら
相手の意見に共感したり、それは違うのではという意見を交換しました。


皆さんならどうされますか?


「あ!そうなんですね!ごめんなさい!」
「あ・・・そうなんですか・・・。あ・・・。」
「そうなんですね。」
色んな言葉や態度で表す事ができます。

が!ここの質問での要点は「謝罪」という部分でした。
謝るのか、謝らないのか。
地下鉄が「ない」のに質問をしてしまい失礼だったと感じ「謝罪」をしますか?


この講義の中で謝罪は「タブー」だったのです。
「地下鉄がない」のに「失礼な質問をした」と感じると言う事は
「地下鉄があって当たり前」と考えていて、地下鉄がない国の文化を「見下している」、
教師が文化に優劣を付けている事になるという理由からでした。

とっさに「미안해요(ごめんなさい)」と出てしまいそうになりますし、
考え方によっては「謝罪」が必要な場面もあるかと思います。
しかしこの講義では「文化を優劣で判断しない事」が要点になっていました。

語学教師は語学に対する知識や教える要領だけではなく、
このようなちょっとした態度・対応も教師として備えなければならない事を
教わった講義でした。

どこかしら「自分の国」と他国を「比較」し優劣をつけがちですが、
文化を優劣で決めれるものではないと思っています。
「よくない事は良くない、良い事は良い!」と判断する事は悪い事ではないのですが、
今回のように「これが当たり前」という態度で他国の文化に接してしまうと
大切なものを見落としてしまう可能性があります。

それが教育現場なら学習者の意欲さえも奪ってしまいかねません。
韓国語教育に興味があり、これから韓国語教育を専攻する方々がいらっしゃると思いますが
ぜひ一度この「文化の優劣」について、考えてみる必要があるかと思います。

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